能面や能装束、道具など、時代を超えて継承されてきた品々は、何を伝えているのでしょうか。
能は、その大成より以後、幕府や大名たちによって庇護されてきました。古くから伝わる名品には、それがうまれた時代とともに、経てきた時間や、大切にしてきた人々の想いも重なっています。そこには「翁」を探るもうひとつの重要なアプローチがあります。「縹地蜀江模様袷狩衣」江戸時代(18世紀後半~19世紀前半)永青文庫蔵
藩主自らが能を嗜んだ細川家。能面・能装束の数々から能楽を探ります。
細川家は歴史的に能楽と深い関わりがあり、初代・細川幽斎(藤孝)をはじめ、歴代の藩主が能の文化に心を寄せ、藩主たちも自ら舞台に上がり能を嗜んできました。そのため、細川家の拠点となった熊本や東京には、能面・能装束・楽器や小道具など約900点の能楽コレクションが伝来しています。これらは鑑賞のために買い集められた美術品ではなく、実際に使われてきたものです。
本展は、そうした細川家伝来の能楽資料から「翁」を起点として構成しています。能の原点ともいわれる「翁」は、翁面をかけることで演者が神になり、その舞によって世の安泰を祈願する特別な演目です。能に流れ込む祈りと信仰、それらを背負った様々な神の存在を、細川家伝来の能面や能装束を通して探求します。
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